人文学部


漆澤その子 准教授


漆澤 その子(うるしざわ そのこ)

■略歴

東京生まれの東京育ち(ただし、三代続いた東京生まれではないので、正真正銘の「江戸っ子」ではない。)
1989年4月 筑波大学第一学群人文学類入学
1993年3月 同卒業
同年4月 筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科 史学専攻入学
1997年4月~1999年3月 日本学術振興会特別研究員(DC2)
1999年3月 同大学院単位取得退学
1999年4月~2002年3月 筑波大学助手 歴史・人類学系
2002年1月 博士(文学)学位取得(筑波大学)

■主要著作・論文・研究活動など

1.『明治歌舞伎の成立と展開』 慶友社 2003年
2.「歌舞伎十八番にみる『伝統』の創出」 日本演劇学会2006年春の全国大会発表
3.「『水天宮利生深川』にみる「散切もの」の世界」『年報日本史叢2001』2001年号 2001年
4.「新富座の劇場改革とその意義」大濱徹也編『近代日本の歴史的位相-国家・民族・文化-』(刀水書房)所収 1999年
5.「九世市川團十郎の「改良理念」の展開とその意義」『年報日本史叢1995』1995年号 1995年

■専門・所属学会・その他前年の主要社会活動

専門領域は日本史で、主に近現代の芸能社会史を研究しています。日本史といっても、高校の教科書などにみられるような為政者の目からみた歴史像ではなく、歌舞伎をはじめとする様々な芸能に関する諸現象を通じて、庶民の視座に立った時代・社会像の構築に努めています。特にこれまでは、歌舞伎を通して未曾有の大変革を遂げた明治という時代の社会像を描いてきました。現在最も関心を寄せているのは、江戸時代に庶民の娯楽として親しまれ、演劇的には完成をみたといわれる歌舞伎が、近代日本において西欧諸国からもたらされた様々なテクノロジーや演劇観の影響を受けていくなかで、「伝統芸能」と化していったのかということです。
主な所属学会は、藝能史研究会、日本演劇学会、日本風俗史学会などです。

■メッセージ

 ~あなたが見ている私は、本当の私ではないかもしれない…。~
みなさんが目にする私漆澤は、授業を行い日本の芸能史研究に従事する、教育者であり歴史家としてのすがたでしょう。けれどもそのすがたは、私の半身を映し出しているにすぎません。もう半身の私は、音楽のなかの世界を生きる一方、スポットライトの下で踊り、感性の琴線に触れることがあればそれをかたちにしようと創作に没頭する。まさに「芸能者」としてのすがたにほかなりません。研究や教育に携わる私と「芸能」に生きる私…。自分自身、振り子のように両者の間を揺れ動いた結果、たどり着いた結論は、私という存在にとって、どちらの私も欠くことができないということ。これらが両輪となって背を押してくれるからこそ、私は私を生きていくことができるのです。…などと、思い付くままに書き連ねているのも、欲張りな人生を送りたいとひそかに願っている自分を、ただ正当化したいだけなのかもしれません。