人文学部


香川 檀 教授


香川 檀(かがわ まゆみ)

■略歴

 1954年、東京生まれの埼玉育ちです。プレイグラウンドは中学までが浦和駅周辺、文京区の高校に進学してからは池袋、大学に進んでからは渋谷に、と行動半径を拡大していきました。大学ではドイツ史を専攻しましたが、ドイツはまだ遠い遠い国でした。会社員をしているときに、言葉と文化の魅力にとりつかれ、翻訳と美術批評の道に入りました。歴史や社会と美術の関係が、とても面白く思えたのです。1989年、ベルリンの壁が開いた直後、その壁際ぎりぎりに建つ美術館で開かれた展覧会を取材したときのことは、今でも忘れられない経験です。

 
その後、思うところあって大学院に入り、「表象文化論」という分野で、美術をふくめた芸術一般について勉強しました。研究の課題は、西洋とくにドイツの前衛芸術をジェンダーの視点から読み直す、というものです。いったん始めてみると、これで満足、という結論にはとても辿りつけず、とうとうロンドンやベルリンの大学にまで押しかけていくことになりました。2000年の節目に日本に帰国。いくつかの大学で講師として「西洋美術史」や「ヨーロッパの視覚文化」について教える経験を積み、学生さんたちの若い感性にふれる愉しさも知りました。

 
武蔵大学には2004年に着任しました。というわけで、いまではすっかり江古田が私のプレイグラウンドです。

■主要著作・論文・研究活動など

おもな仕事としては、次のようなものがあります。
1)著書『ダダの性と身体』ブリュッケ、1998年
2)共編著『ベルリンのモダンガール』三修社、2004年
3)「アレゴリー的身体――人形装置と〈聖なる憂い〉」、小林康夫/松浦寿輝編『表象のディスクール――3.身体』東京大学出版会、2000年
4)「二つの本棚から――ドイツ現代美術にみる〈記憶の表象〉とジェンダー」、イメージ&ジェンダー研究会編『イメージ&ジェンダー』第3号、彩樹社、2002年
5)「オットー・ディックス:観相術、その目を凝らすほどに……」、小林康夫編『美術史の7つの顔』未来社、2005年
6)共著『記憶の網目をたぐる--アートとジェンダーをめぐる対話』彩樹社、2007年

■専門・所属学会・その他前年の主要社会活動

関心のあるテーマは、20世紀美術史、視覚文化論(写真や現代アート)、ジェンダー論。
所属学会は、美学会、ドイツ学会、表象文化論学会、イメージ&ジェンダー研究会。

■メッセージ

〈美術〉というと、とっつきにくいと思う人もいるかもしれませんが、イメージ(図像)の意味や効果を考えることが肝心なのです。だから写真やマンガやフィギュアから、街頭の広告や落書きや記念碑にいたるまで、すべてがイメージ文化として調査・研究の対象となりえます。私たちの身の回りにあふれていて、つい見落としてしまいがちなヴィジュアルを調べていくと、思いがけない発見がある。それをつうじて、〈ビジュツ〉が自分のものになっていくのです。一緒に、イメージを読む面白さを味わいましょう。